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教育・研究

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生命・物質化学分野

本分野では、化学物質の本質的を合成・性質・反応の立場から、また原子・分子のレベルから明らかにすることを目的としています。そのために、物質の分離・分析からそれらを構成する原子・分子およびその集合体の構造解析、それから発現される物性を研究対象とする分析化学・物理化学、無機物質の構造・エネルギー変換の反応と工程を探究する無機化学・化学工学、さらに有機合成や有機物質・機能性物質等を研究する有機化学・高分子化学の各専門分野を設置し、それらの総合的な展開も可能なように教育・研究がプログラムされています。具体的には生命機能を工学的に展開することを目的に、生体分子に関する研究成果に主眼を置いて、分子レベルの物質変換過程とそれらの自己組織化を取扱い、超分子系人工システム(人工酵素・生体適合性材料・センサー・人工タンパク質等)の構築、生命機能を模倣し(Bio-mimetic)、またそれに創発された(Bio-inspired)システムの設計・構築、究極的には人工生命の創生まで目指しています。

ソフトマテリアル分野

有機材料は21世紀の人間生活を支える最も重要な素材の一つです。汎用プラスチックや合成繊維に代表されるような構造材料だけではなく、高度な性能や機能を発現する高分子材料も大きく注目されています。例えば、人工臓器やドラッグデリバリーシステムなどの生体材料、光などの外部環境を感知するセンサーのような生体模倣材料、生分解性ポリマーなどの環境適合性高分子、有機ELやフォトレジストなどIT産業を支える機能性高分子などが、人間生活に欠かせない高機能な素材として利用されています。また、我々の体内では、タンパク質や核酸などの分子が自発的に自己組織化して規則構造を形成することで、高度な機能を有する生命体を形作っています。原子レベルで分子設計ができ、分子レベルでの規則的な高次構造の設計が可能で、その結果として目的に応じた高性能・高機能を実現できることが高分子化合物の魅力です。ソフトマテリアル分野では、高分子化合物の合成、機能、物性、物理化学、構造に関する基礎研究を基盤とし、今後の環境・医療・エネルギー等の諸問題を解決するための「ものづくり」に意欲的にチャレンジしています。

環境セラミックス分野

環境セラミックス分野では、人と地球に優しく、持続発展可能な将来の循環型社会の構築に貢献しうるセラミックス系材料の開発を目指した教育研究を行っています。具体的には有害物質を除去し安全安心を実現するエレクトロニクス材料、セラミックスの磁気・電気・光学特性を組合せて新しい機能を発現する情報電子材料、自動車産業で注目されている排気ガス浄化を可能とする触媒材料や、エンジンに代わる燃料電池や蓄電池などのエネルギー変換セラミックス、優れた断熱や調湿特性によって住居の快適性を追求する材料、骨などの生体組織を再生するバイオセラミックスなどが挙げられます。このように、本分野では環境・情報・エネルギー・医療・土木建築などの重要産業を支える基幹材料の開発・応用を展望しています。

優れた機能を有するセラミックス系材料の開発を実現するために、伝統的な固相反応法に加えて、気相や液相・ナノスケールでの「ものづくり」技術の確立に取り組んでいます。同時に、最先端機器分析によって原子レベルでのセラミックスの精密構造解析・物性評価や、計算機による材料シミュレーション技術を駆使し、基礎から応用まで幅広く材料特性の理解を深めます。これらの世界水準の先端的な材料研究開発により、「産業界」や「海外大学」との連携を積極的にすすめ、環境セラミックス科学の発展に対して中心的な役割を果たしています。

本分野では、セラミックス科学と諸科学を体系的に学び、斬新な科学領域を創成し、工学的応用に結実させる能力を有した人材の育成を目標としています。物質に関する基礎知識を有し、セラミックス科学の研究、開発、応用技術について関心と探究心のある人を歓迎します。